身体と潜在意識

ニュートラルベースが身体からアプローチする訳は、約30年間、鍼灸マッサージ師として述べ9万人の方々の施術に携わり、身体が内面の状態を表現している事を確信しているからです。
また太極拳、ヨガにより自分の身体を治すことで、同時に潜在意識や脳の使い方が変わったことを実感しているためです。

人は身体すべてを意識し続けることはできません。

例えば、パソコンを使っている時、キーの感触や、触れているパソコンの部分を感じるくらいで、体のどこに力が入っているとか、体幹をどう維持しようとか、頭の位置は、など意識し続けることは大変難しいことです。
まして、腸内の消化の様子や、免疫、ホルモンの状態など意識することは不可能です。
ほぼオートマ化されていると言ってよいでしょう。

その身体を意識的に変えていく、ということは、無意識、つまり潜在意識を変えていくということです。

ここでは、「心」を「思考と感情」としましょう。
「思考と感情」は、外部からの情報の集積である潜在意識が、新たに入ってくる情報や、取り出された記憶に反応するエネルギーの働きです。

身体は潜在意識(無意識、刷り込まれた社会通念、一般常識、家族/地域/コミュニティー/国、の人々の癖の模倣などなど)で成り立っています。
潜在意識によってつくられた防御網に反する事(非常識、前例がない、突飛、一般的でない、体裁が悪いなど)が起こると、感情と思考が過剰反応します。
それは同時に身体感覚となって現れます。
そう、感情は身体感覚なのです。

悲しい時は胸が重苦しくなり、背中が曲がってあごが出る。
怖いことやびっくりすることがあると、尻が引けて腰が反り、腹の力が抜ける。
腹立たしい時はみぞおちや首に力が入り、肩から上が凝り血圧が上がる、など。

身体と感情のリンクは他にもたくさんあります。
姿勢や動きによって感情や思考が誘発され、悪循環のループが起こります。

これらが絡み合って、コリや痛み、癖をつくります。
この癖のある身体の状態から物事を判断、吸収し、潜在意識に刷り込み、さらに癖を強化し、性分から性格へと進み、ついには人格をつくります。

では、どうしたら良いのか?

潜在意識=身体が変われば情報や記憶に対する反応を変えることができます。
反応つまり「思考と感情」=心をコントロールできる可能性をここに見ます。

「ヨガとは心の止滅である」とはヨガの経典ヨーガスートラの第1節ですが、心の働きを抑えるのではなく、呼吸や身体をコントロールして、潜在意識を変化させ、「反応」を静める、ということだと考えます。

身体のポジショニング、姿勢は内面に強い影響を及ぼす、とも言えます。

不安や恐れ、悲しみ、怒り、焦りなどの感情を身体が表現しようとした時、力を抜いて空を見上げ、ぽかんとして、ニュートラルになってしまうと、感情は身体感覚ですから、その表現自体をやめてしまいます。

ニュートラルに戻る、ということは自分がニュートラルになるだけでなく、物事も限りなくニュートラルに近く受け止めることができること。

ここに、健康になる、ということ以上の何かがあることを確信しています。